テーブル、イスなど木工家具の修理事例と料金・費用相場について
長年、家族を見守ってきたテーブルやイス、タンスなどの木工家具は、大切に扱っていても塗装の剥がれや色褪せ、傷や汚れといった経年劣化が発生してしまいます。
また、木材ならではの反りや虫食いといったトラブルも少なくありません。
近頃は安価な家具が多く流通していますが、簡単に買い替えてしまうのではなく、修理をしてでも“良いものを長く使いたい”と考える方も多いのではないでしょうか。思い出の詰まった家具なら尚のことでしょう。
このページでは、テーブルやイスといった木工家具の修理事例、料金・費用の相場などについて詳しく解説しています。
1.木工家具の修理事例
テーブル、イスなど木工家具の修理を検討している方のために、当社の修理事例をいくつかご紹介いたします。
【1】ローテーブルの修理事例
こちらのローテーブルは、自宅の新築と併せて購入され、20数年利用しておられたそうです。
天板や脚は生活傷が多数あり、表面の光沢もなくなっています。
幸い、パテ埋めを行うほど深い傷はなかったので、塗装のみの修理となりました。
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①まずは、専用の薬剤で塗装を剥離します。古い塗装が残らないように、丁寧に剥離していきます。
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②塗装の剥離が完了しました。
厚く塗られていた塗装も、職人の手にかかればここまで綺麗に剥離することができます(脚の塗装が残っていますが、この後同様に剥離しています)。 -
③落ち着いた風合いに仕上げるため、下地の着色を行います。木工家具を美しく仕上げるためには、この下塗りがとても重要です。
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④中塗りを行いました。綺麗に見えますがまだまだ完成ではありません。長く、美しく使っていただくために、この後表面の研磨と補色、上塗りを行います。
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⑤研磨と上塗りが終わり、修理が完成しました。天板や脚にあった生活傷はすっかり目立たなくなり、新品同様に生まれ変わりました。
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⑥修理前後を比較すると一目瞭然です。近年DIYが流行っていますが、この仕上がりは“プロの修理ならでは”です。
作業期間 | 約2週間 |
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作業料金 | 7万円 |
【2】和ダンスの修理事例
こちらのタンスは半世紀ほど前のもので、嫁入り道具として購入されたそうです。事情があり一時的に娘さんが使用されていましたが、お母さまに返すことになったため、『せっかくなら綺麗にして返したい』とご依頼をいただきました。
特に不具合はありませんでしたが、古いものですので全体的な塗装の劣化、引き出しのガタつきなどが見られました。修理内容は、再塗装だけではなく、ガタつきを直すため組み直しを行いました。
こちらの写真は、修理前後の様子です。光沢がなくなって、ところどころ塗装はがれのあった表面は見違えるようにきれいになりました。
金具などの金属部分は元のままですので、独特の味わい深さはそのままに、仕上がりにもご満足いただくことができました。
作業期間 | 約2か月 |
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作業料金 | 15万円 |
2.テーブル、イス修理の料金・費用相場
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テーブルやイスの修理を依頼する際に気になることといえば、料金や費用ではないでしょうか。
ここでは、テーブルやイスの修理にかかる料金の内訳や、費用相場について紹介します。
【1】修理にかかる料金・費用の内訳
まず、テーブルやイスなどの修理にかかる料金・費用の内訳について紹介します。木工家具を修理する料金・費用には、一般的に以下のような項目が含まれます。
- 修理工賃
- 材料費
- 配送費
- その他料金
- 修理工賃
- 修理工賃とは、修理を行う職人の人件費や技術料のことです。一般的には、あらかじめ1時間当たり〇〇円といった工賃の目安を設定し、「想定される作業時間×1時間当たりの工賃」で見積りを算出します。
- 材料費
- 材料費とは、修理をするために使用した木材や塗料、接着剤といった材料にかかる費用です。木工家具を修理する際には、修理する家具に合わせた木材や塗料、釘などをそろえなければいけません。そのため、アンティーク家具や海外製家具など手に入りづらい材料を使った修理の場合、材料費が高額になることもあります。
- 配送料
- 配送料とは、家具修理のための引き取りや、修理後の納品にかかる配送料金のことです。
ダイニングテーブルやクローゼット、タンス、ソファなど大型の家具は、ご自身で修理業者へ持ち込むということも簡単ではありません。そのため、基本的には修理業者がトラックなどを手配し、引き取りを行います。納品についても同様です。
※お客様自身で家具を持ち込む場合にはかかりません。 - その他料金
- 上記以外にも、見積りに含まれる金額はいくつかあります。
その他の料金として多いのは出張費です。家具は職人が現場に出向いて修理をすることもありますので、そういった場合には出張費がかかることもあります。
また、ガラスや金属部品などの交換を伴った修理や、布生地やウレタンなどを使った修理の場合、組み立て、塗装、張り替えなどをいくつかの業者で分担して行うこともあります。このような修理では他の業者とも連携する必要があり、輸送費や手間賃が余計にかかることもあります。
その他、表面を鏡面のようにピカピカに仕上げる、もともとついている彫刻を落とすといったリメイクやリフォームが入る場合には、その分も見積り加算されることになります。
【2】修理内容別の費用相場について
テーブルやイスといった木工家具の修理費用は材質やダメージの状況、サイズなどによって大きく異なります。そのため、以下の費用相場はあくまでも目安としてご覧ください。
- ダイニングテーブルの塗装修理
- ダイニングテーブルはほぼ毎日使う家具なので、修理依頼が多い家具です。特に天板は、家具の顔でもあるため、綺麗に修理したいという方も多いでしょう。
天板のみの塗装修理は、一般的な4名掛けで約6万円~7万円程度が相場です。
ちなみに一般的な4名掛けで、天板以外も含めた全体的な塗装修理を行うと、約10万円前後となることが多いです。 - ダイニングチェアの修理
- ダイニングチェアもテーブル同様、毎日使う家具ですので、表面のダメージはもちろん、ガタつきなどが出やすい家具です。単純に塗装修理だけですと、1脚1万円程度が相場です。
しかし、ダイニングチェアの場合、背もたれや脚などのガタつき調整と塗装修理を併せて行うことが多いので、1脚あたり1万円~3万円程度が相場になります。 - ダイニングセット(テーブル×1、イス×4)の修理
- 最後に、ダイニングセットの修理費用についてです。
一般的な4人掛けのテーブル1台、イス4脚のダイニングセットで約15万円が相場です。基本的に修理費用は複数まとめて依頼をする方が、一つあたりの修理費用は割安になります。もし、どちらかの修理を検討しているという方は、テーブル、チェアとまとめて依頼するのがおすすめです。
ここでは、修理依頼の多いダイニングテーブル、イスの修理費用の相場についてご紹介いたしました。
先にもご紹介した通り、家具の修理は、ダメージの状況、材質、家具のサイズなどによって異なります。そのため、詳しい料金については、実際に修理業者に問い合わせるのが確実です。
3.DIY、修理業者、どっちが良い?それぞれのメリットとデメリット
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近年は、DIY(日曜大工)ブームもあり、テーブルやイスの修理を自分でやってしまうという方も増えています。ホームセンターや100円均一などで簡単に修理道具が購入できるため、DIYでの修理をお考えの方もいるのではないでしょうか。
ここでは家具をDIYで修理した場合、修理業者に依頼した場合のメリット、デメリットについて紹介します。
【1】DIY(日曜大工)で家具修理を行うメリット、デメリット
- メリット
- ・修理工賃や輸送費がかからない
・修理工程を楽しめるDIYの場合、修理工賃や輸送費などはかかりません。そのため、修理業者に依頼するよりもかかる費用は安くなります。
また、日曜大工が好きな方であれば、修理方法を調べたり、実際に修理している工程を楽しめたりという点もメリットでしょう。
- デメリット
- ・費用がかさむこともある
・仕上がりが綺麗にならない家具の修理では、様々な工具や材料が必要になります。修理を始めてから、あれもこれもと買い足していたら、結局、費用がかさんでしまったという話はよく耳にします。
また、DIYでは技術や経験が無いのはもちろん、使用する道具も家庭用の道具になってしまいます。傷隠し程度なら問題ありませんが、家具の歪みを直したり、レザーや布を張り替えたりといった本格的な修理まではできません。修理業者に依頼すれば数日で綺麗に仕上がるものが、時間もかかった上に綺麗に仕上がらなかったという事もあります。
【2】修理業者に依頼するメリット、デメリット
- メリット
- ・仕上がりが綺麗で早い
・難しい修理にも対応できる修理業者のメリットは、仕上がりの綺麗さとスピードの早さです。使用する機材や材料も全く違いますので、その仕上がりはDIYとは比べ物にはなりません。
また、高級な家具やアンティーク・ヴィンテージ家具などの修理には専門知識が必要です。DIYでは難しいですが、適切な修理業者に依頼すればほとんどの場合、修理することが可能となります。
- デメリット
- ・費用がかかる
・修理業者選びが難しい修理業者に依頼すると、相応の工賃や材料費などが必要です。この点は、修理業者に依頼するデメリットと言えるでしょう。
そのほか、修理業者選びが難しい点もデメリットかもしれません。家具の修理業者は様々ありますが、あまり技術を持っていない修理業者もいます。実績などをしっかり確認し、信頼できる修理業者へ依頼するようにしましょう。
DIY、修理業者それぞれにメリット・デメリットはありますが、大切な家具の修理は、修理業者に依頼されることをおすすめします。
費用はかかりますが、相応の仕上がりを手に入れることができますし、失敗して家具を台無しにしてしまうということも避けることができるからです。
家具の修理を行う場合は、安易にDIYに挑戦せず、専門業者を利用するようにしましょう。
4.修理業者を選ぶ3つのコツ
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家具の修理で最も重要なのは、どの修理業者に依頼するかです。もし、業者選びを間違うと大切な家具が台無しになってしまうこともあります。以下の点に注意して、修理業者を選ぶようにしましょう。
1.修理実績はどうか?
家具の修理ではこれまでどんな修理に対応したのか、という経験が非常に重要です。今では多くの修理業者がホームページをもっており、修理実績のページを設置しています。依頼する前には、必ず修理実績を確認するようにしましょう。
2.歴史はあるか?
単に“直すだけ”であれば、どこの修理業者でも変わらないかもしれませんが、修理後も長く、大切にしていきたい家具であれば、歴史のある修理業者を選ぶことがおすすめです。歴史がある修理業者であれば、様々な家具の修理経験がありますので、満足のいく修理をしてくれることでしょう。
3.ノウハウはあるか
家具といっても、テーブルやイスなどの「脚物家具」、タンスやクローゼットなどの「箱物家具」、時計やハンガーなどの「小物家具」と種類があります。
また、西洋家具、 和家具、伝統的なデザインのもの、革新的なデザインなど様々です。
修理したい家具に関するノウハウを持っているかという点は、修理業者選びのポイントになります。
最近では「格安修理」を売りにする家具の修理業者などもありますが、十分な修理ノウハウを持っていないこともありますので注意しましょう。
5.東京、神奈川の木工家具修理なら腰原塗装へご相談ください。
このページでは、テーブルやイスといった木工家具の修理事例、料金・費用の相場などについて詳しく解説しました。こちらのページが、大切な家具修理に少しでもお役に立てれば幸いです。
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当社は、横浜で約半世紀にもわたり家具の修理を行ってまいりました。アンティーク家具や高級家具まで幅広い修理実績があり、大手百貨店グループや、高級家具メーカーとも長年、お取引をさせていただいております。
大切な家具の修理やリフレッシュは是非、腰原塗装にお任せください!お問い合わせ、見積依頼はお電話・フォームよりお気軽にご連絡ください。